情報誌「医療人」®

今月の医療人紹介

(2013年9月1日掲載)

公益財団法人星総合病院  病院長 木島 幹博 氏


1984年 東北地方で初めてカテーテルによる治療を開始し、それ以来30年間カテーテル検査及び治療に力を注ぎ続けている

 福島県発表の平成23年度死因順位別死亡数の年次推移をみると、心疾患(心臓の病気)が第2位であった。特に、急性心筋梗塞による死亡率が全国で最も高い状況にあった。現在の心筋梗塞を含む虚血性心疾患に対する治療には、心臓カテーテル治療や薬物療法、外科的治療が行われている。今回は、主に心臓カテーテル治療に力を入れている公益財団法人星総合病院病院長の木島幹博先生に、県内における心疾患の現状や治療についてのお話を伺った。星総合病院では、1984年に東北地方で初めてカテーテルを使用して冠動脈を拡げる治療(経皮的冠動脈形成術:percutaneous coronary intervention:(以下:PCI))(※)を立ち上げて以来30年間、カテーテル検査及び治療に力を注いできた。また、同院では、それらの技術向上や地域への普及を願い、1997年から(1998年から年間2回)ライブデモンストレーションを継続開催している。

血管疾患の増加
福島県では、特に急性心筋梗塞による死亡率が高い状況にありますが、先生はその原因をどのようにお考えでしょうか

 平成22年都道府県別にみた主な死因別男女別年齢調整死亡率(人口10万対)・順位(厚生労働省発表)によると、福島県民の急性心筋梗塞による死亡率順位は、男女ともに全国第1位という結果です。また、脳梗塞による死亡率順位が男女ともに全国5位以内、脳血管疾患は10位以内に入っています。これらの脳・心臓疾患が起こる原因は、主に動脈硬化などの血管疾患によるものです。動脈硬化は加齢により起こりやすくなりますが、現代では、肥満症、糖尿病、高血圧症、脂質異常症などの生活習慣病の進行による発症が多くなっています。そこで、都道府県別の肥満及び主な生活習慣等の状況(厚生労働省発表)をみると、福島県の男性肥満者の割合は40.3%で全国第4位にあり、生活習慣病の代表とされる2型糖尿病の患者さんが多いことに加え、高血圧症を引き起こす原因となる食塩摂取量値は男女ともに全国第3位以内です。しかも、これらの生活習慣を見直すための手段として実施されている特定健康診査(いわゆるメタボ健診)や、その結果により特定保健指導が必要とされた方が受診または指導を受ける割合が10%台と非常に低い状況にあります。 
 このような状況から考えると、生活習慣病などがベースとなり血管疾患を疑われる方が、医療機関を受診されないまま過ごしていくことで、突然、急性心筋梗塞を発症してしまうケースが多いのではないかと思います。急性心筋梗塞をはじめとする心疾患の死亡率を減らすには、発症する段階より前の「生活習慣病の予防」を第一に考えていく必要があると思います。まずは、私たち一人ひとりが、生活習慣を見直すことで危険因子を減らし、もし検診で指導が必要となった場合はしっかりと再受診して予防に努める。同時に、検診機関や県などが連携して特定健康診査(いわゆるメタボ健診)や特定保健指導を啓発していかなければいけないと考えています。 

医療の進歩とともに
貴院の心臓病センターは、どのような体制をとられているのでしょうか


ハイブリット手術室
 当センターは、心臓疾患および血管疾患の専門治療を行うため1997年に開設しました。現在は、私を含めた10名の循環器内科医と、2名の心臓血管外科医が中心となり診療を行っています。主な設備は、心臓血管カテーテル専用検査室が2室、手術台と血管X線撮影装置の機能を備えたハイブリッド手術室(※)が1室あります。主要の医療機器となるハイブリット手術対応全身血管造影診断装置は、今年1月の新病院開院に伴い県内初導入した機器です。ハイブリット手術室では、カテーテルを使用した内科的治療と外科的治療を併用または同時に行うことができます。新病院では、このような最先端の機器を駆使した効果的な治療をより迅速に行うための体制を整え、急性期疾患に対応しています。

貴センターでは、特にカテーテルを使用して冠動脈を拡げる治療(経皮的冠動脈形成術:percutaneous coronary intervention:(以下:PCI))(※)に力を入れているそうですが、PCIが始まって30年間以上経つ中で、先生は医療の変化をどう感じていますか

 30年の間には、時代の変化とともに非常に大きな医療の進歩がありました。PCI(※)は、スイスのチューリッヒ大学付属病院に勤務していたグルンツィッヒ氏(Gruentzig)が開発し、1977年に初めてヒトの冠状動脈へ行った治療法です。現在では、この治療法が急性心筋梗塞の標準的治療となっておりますが、私が大学を卒業した1976年当時は、心筋梗塞の患者さんは寝かせておく、というのが日本では常識とされていましたので、この30年の間に逆の発想になるほど医療の進歩は激しいものでした。 
 PCI(※)が日本に普及し始めたのは1980年代に入ってからで、当院は1981年より心臓カテーテル検査を開始し、1984年には東北地方で初めてPCI(※)を立ち上げました。当初は、新しい治療法でしたので、国内にいた数少ないカテーテル治療の草分け的な先生方に何度か足を運んでいただきながら、徐々に知識や経験を積み重ねてまいりました。また、当時のデバイスは、現在のような操作性の良いものではありませんでしたが、それでも、私が初めてPCI(※)に接した時は「ほんとうに素晴らしい」と感動したのを鮮明に覚えています。何といっても、カテーテル治療は、開胸しなければいけない外科的手術に比べて、患者さんにとって非常に侵襲が少ないというメリットがありましたので、必死な思いで技術を習得しました。カテーテル治療は大腿部と橈(とう)骨(こつ)動脈からアプローチする方法があります。最近では7割位を橈(とう)骨(こつ)動脈から行っています。こちらからの方が出血性の合併症が殆んどありませんし、安静時間も短く、すぐ歩けるというメリットがあります。 
 当初は、素晴らしい治療法だと認識したと同時に、この治療法を取り入れることで、もし患者さんにご迷惑をかけるようなことがあれば、この業界から去るという強い覚悟で臨みました。それからカテーテル治療を取り入れようという機運が日本各地で高まっていく中、賛同する先生方と一緒に研究会などを作り、知識を共有しながら、当院では心臓カテーテルの検査・治療に力を注いできました。そうして、進歩してきたのです。私は、循環器内科学領域の医療が進歩する「激動の時代」を駆け抜けて来られたことを非常に幸せだったと感じていますし、今後も躍進し続けて行きたいと思います。


貴院が最も力をいれているカテーテル検査及び治療について教えてください

 私たちが最も力をいれているのは、虚血性心疾患の治療です。虚血性心疾患とは、心筋(心臓の筋肉)に酸素と栄養を送っている重要な冠動脈という血管に障害が起こる疾患です。虚血性心疾患は、心筋梗塞と狭心症の大きく2つに分けられます。心筋梗塞は、冠動脈が閉塞して心筋に酸素と栄養が送られなくなり壊死を起こした状態のことで、狭心症は、冠動脈が完全に閉塞しているわけではありませんが、内腔が狭くなった状態です。 
 これらを鑑別するための検査法として、急性疾患以外の患者さんに対しては、近年、マルチスライスCT(Multi Detector-row Computed Tomography:MDCT(以下:MDCT))を使用した心臓MDCT検査が行われることが多くなり、当院でもそのようにしています。心臓カテーテル検査と心臓MDCT検査は、いずれも造影剤を注入して冠動脈をX線撮影する検査ですが、患者さんの身体にかかる負担などに違いがあります。カテーテル検査は、腕や足の動脈からカテーテルを挿入して、その先端を冠動脈の入り口まで進めていき、血管が詰まっている場所を観察する検査です。一方、心臓MDCT検査は、静脈注射で造影剤を注入して、横になった状態で撮影をするだけの簡単な検査です。このため、心臓MDCTの方が身体への負担が少なく、安全性の高い検査になります。ただ、心臓MDCT検査のデメリットとして、冠状脈の壁にカルシウムが沈着した石灰化が強くみられる方の場合、画像の精度が落ちて血管の内腔がみえないことがあります。それでも、最近は画像処理方法によってだいぶ画像の精度を上げることはできますが、石灰化が強くみられる方には疾患があることが多いのでカテーテル検査の方がよいということになります。また、これらの造影剤を使用した検査では、腎臓に疾患をお持ちの方や造影剤アレルギー歴がある方などは検査ができないことがありますので、そのような方には心筋シンチグラフィ検査(※)などを補助的に行いながら診断をしていきます。


X線血管撮影室
 急性心筋梗塞など急性疾患の場合は、まず心電図検査などで診断を行い、その後すぐに心臓カテーテル検査を行います。当院での治療はカテーテル治療が中心ですが、急性心筋梗塞を引き起こした血管以外にも状態の悪い血管が多くみつかった場合は、外科的治療を行うなどして患者さんの状態に応じた治療法を選択しています。
 PCI(※)が開発された当時は、現在と比べて操作性の悪いデバイスでしたし、狭窄部分をバルーンで拡げる方法しかありませんでした。それが、現在ではより操作性の良いデバイスに進化し、安全性の高いステント治療(※)により再閉塞や再狭窄のリスクも少なくなっています。このステントについても、時代とともに良い物が出ていて、現在は金属性ステントよりも薬剤溶出性ステント(※)の使用頻度が圧倒的に高くなっています。第一世代の薬剤溶出性ステント(※)には、金属製ステントに比べて血栓症を引き起こしやすいということや、血栓症を防ぐために服用する抗血小板剤の服用期間の長さがデメリットとしてありました。しかし、第二世代の薬剤溶出性ステントは、血栓症の発生率が金属性ステントとほとんど変わりがなくなり、抗血小板剤の服用期間もだいぶ短くなっています。
 当院では、慢性完全閉塞(Chronic Total Occlusion: CTO)(※)(治療の難易度が高いといわれている)の患者さんに対する治療では、90%以上の成功率をあげており、今後も安全な治療が行えるように努めてまいりたいと思っております。


先生はどのようにして「手技」を磨かれてきたのですか

 心臓カテーテルの世界は、ガイドワイヤー1本をとても大事に考える世界です。ガイドワイヤーという冠動脈の狭窄部分に通すワイヤーは、PCI(※)ステント留置術(※)など多くの場面で使用されます。カテーテル治療を行うにあたり、何百種類もあるワイヤーの中から、どれを選択するか、あるいはその他の器具はどういうものを使用してどう使いこなしていくか、ということがとても重要です。そうしたワイヤーの違いや特徴などについて、何時間でも話せるようになれなければ、なかなか技術を上達させることはできません。このような決して教科書には載っていない具体的で細かい情報を身に付けるには、可能な限り、この世界の一流といわれる先生方と共有できる時間を持つこと、だと思います。例えば、各研究会やライブデモンストレーションの場を通して勉強をさせていただいたり、あるいは討論をさせていただいたり、積極的にその機会を作らなければいけません。そうして共有する時間が長くなればなるほど、自然とその先生方のレベルに近づいていくことができると思います。 
 現在、世界中にはたくさんのワイヤーがあります。その中でも、日本製のものが一番進歩していると思います。日本には匠の技を持つ技術者がいて、ワイヤーを1本作るのにも、そこには物凄いテクノロジーがあります。カテーテル治療には、ワイヤー以外にもさまざまなデバイスが必要ですが、特に、このワイヤーの技術進歩は大きいといえます。ですから、こうしたデバイスの進歩が、慢性完全閉塞(Chronicle Total Occlusion: CTO)(※)の成功率などを大きく向上させていくと思います。


技術を浸透させるため
先生は、ライブデモンストレーションをどのような想いで継続されてきたのでしょうか

 当院では、1997年からライブデモンストレーションを開始しました。本研究会は、1998年から年間2回開催されており、今年の6月に開催した「ADATARA Live Demonstration 2013」で17年目を迎えることができました。本研究会は、実際の患者さんの治療映像(個人情報は公表しません)を、各会場にライブ配信しながら、心臓カテーテル治療において国内外の第一線でご活躍されている先生方にご指導をいただいたり、治療についてのディスカッション行ったりしながら進めていきます。その際、非常に優れた手技をお持ちの先生方が治療にあたりますので、難しいといわれる症例でも相当高い確率で成功します。こうした治療技術というのは、教科書では分からない手技の部分がありますので、実際に間近で見ながら学ぶことができる機会はたいへん貴重です。現在は、各地でライブデモンストレーションが開催されるようになりましたので、日本全体の技術向上につながっています。本研究会も、17年間開催してきた積み重ねがあります。福島県全体に心臓カテーテル技術が浸透し、先生方の技術レベル向上につながっていることが、本研究会を継続させてきた一つの成果だと思っています。特に、若い先生方ほどエネルギッシュで、熱意を持って学んでいますので、今後も積極的に参加していただきたいです。 
 私は、治療技術の向上もさることながら、地域に技術が普及することで、患者さんたちができるだけ最寄りの医療機関を受診できる体制を整えたい、と考えてきました。例えば、治療を受けたくても最寄りの医療機関では受けることができないとき、その全ての患者さんが、遠方の医療機関まで通院できる環境にあるとは限りません。だからこそ、本研究会を通して県内の病院医師の技術が向上し、それを浸透させていくことが大事だと考えています。そしてその治療が、より良い結果に繋がることこそが、患者さんにとって一番のハッピーなことだと思います。現在では、県内19以上の医療機関で心臓カテーテル治療を受けることができるようになりましたので、非常に良い環境が整ってきています。

指導医として
先生は、研修医の皆さんに「どのような目標を持ち」「どのような医療を目指して欲しい」と思われますか

 研修医の皆さんには、身近な疑問をしっかり『疑問』として捉えて欲しいと思います。その疑問は、もしかしたら自分だけの疑問ではないかもしれませんし、医師として経験を積んで行く中でどんどん進歩していくものかもしれません。ですから、それが例え小さなことであっても大事にして欲しいのです。そして、その疑問に対する解決策を考えながら地道に経験を積んでいけば、過程や結果としていろいろなことがみえていくと思います。もちろん、最初から大きな目標を掲げることも良いことです。でも、臨床医にとっては、身近なところから得られるものがとても大きいので、自分が持った疑問や上手くいかなかったことに毎日毎日向き合いながら進んで行く、その積み重ねこそが医師としての自分を大きく成長させていくと思います。それから、医師である前に社会の一員としての立場があることを自覚して、社会人としてのルールを守りながらいろいろな経験をしていただきたいと思っています。


先生が、診療の際に心掛けていることはございますか

 私は、とてもシンプルですが「挨拶をする」という基本的なことを大事にしています。当院に来て今年で29年になりますが、外来の担当日は、接する患者さん全員に必ず「おはようございます」と声をかけています。私が挨拶を大事にしているのは、患者さんたちはとても緊張して診察室に入って来ますので、顔を合わせて挨拶をすることで、緊張が解れ、コミュニケーションを図るきっかけを作ることができるからです。 

 私は、医療というのは「満足」ではなく『納得』の世界だと思っています。特に大人の場合は、疾患が完治することは少なく、急性期を過ぎて退院をすることができても、大抵の場合は疾患が慢性化していきます。そうすると、退院後も二次予防のために外来通院を続けることになります。そうして慢性的な疾患となれば、また急に悪化することもありますし、場合によっては回復が難しい状態になることもあります。
 退院して疾患が完治するのであれば、患者さんは「満足」をすることができると思いますが、慢性化して「満足」できるはずがありません。そうであれば、診療の中で『納得』していただくことが、私は一番大事なことだと考えています。患者さんにどこまで納得していただけるかは分かりませんが、私たちができる限り丁寧な対応を心掛けていかなければいけないと思っています。特に、循環器内科の患者さんはご年配の方が多く、医療に関して全く分からない方がたくさんいます。そのような患者さんたちには、ほんとうに優しい言葉で、病状をかみ砕いて説明したり、絵を描いて説明したりしなければ、bidirectionality talk (双方向性の会話)は成り立たないと思います。
 慢性疾患を抱えた患者さんたちは、「心筋梗塞になるのではないか」あるいは「再発するのではないか」と、常に大きな不安と共に生活をしています。しかし、その患者さんの立場にならなければ分からない不安もあれば、同じ年代にならなければ分からない気持ちもあります。それでも、「少しでも患者さんの気持ちを理解していこう」という気持ちで接しておりますし、今後もこの姿勢であたりたいと思っています。こうして安心できるような雰囲気作りをしながらコミュニケーションを重ねていくと、患者さんが徐々に打ち解けて、ご自身の方からバックグラウンドなどを話してくださることもあります。個人情報に関わることを私たち側から聞くことはできませんので、そういった一言が、診療の大きな助け、になることもあります。また、コミュニケーションはスタッフ間でも必要不可欠で、他の医師や看護師さん、薬剤師さんなど、周りのスタッフから得られる情報が診療を行う上でとても役立つことも多いのです。
 研修医の皆さんには、患者さんやスタッフと良好なコミュニケーションを図ることができて、周りから自然に声をかけていただけるような、そんな雰囲気を持つ医師になっていただきたいと思っています。

先生は、患者さんの不安に、どのようなアドバイスをされているのでしょうか

 例えば、高血圧はさまざまな循環器疾患の危険因子となりますが、「自覚症状が出ていないから大丈夫だ」と思って放置している方もいれば、少し上昇しただけでとても気にされる方もいます。そういう方は、気にすることでさらに血圧を上昇させてしまうこともあります。血圧というのは、血管を叩きつける圧力です。その圧力が高い方が当然血管は痛めつけられていき、それに耐えるために血管は厚くなっていきます。それが血管を狭くしていくことになります。ただ、このようなことは5年~10年のスパンで進行していくものなので、例えば、今日の血圧が高かったからすぐに血管が狭くなる、というものではありません。あまりに心配しすぎると、血圧を上昇させるホルモンが出てきて、かえって上昇させてしまいますので、きちんと診療を受けていれば必要以上に心配する必要はありません。患者さんの中には、こうした説明をするだけで随分血圧が下がる方もいます。ただ、皆さんそれぞれの捉え方がありますので、その患者さんに応じた説明の仕方を工夫しています。
 私が診療を行ってきた中で思うことは、我々医師のほうから「頼りにしてください」と伝えることが、患者さんにとってとても安心できる一言になるということです。ですから、日々の診療では「私たちはあなたの味方です、何かあればいつでも頼りにしてください」というメッセージをきちんと伝えながら接することが大切だと思っています。当院の外来には、患者さんから相談電話がくることが多いので、これからも「おらが病院」として、地域の皆さんに頼られる病院を目指していきます。




患者さんの早期退院を目指す
今後、より充実を図られる分野はございますか

 当院では、リハビリにも非常に力をいれています。新病院になり、フリースペースエリア及びプールエリアを設けた「かがやき健康館」を開設しました。現在、法人全体の理学療法士は84人弱で、当院だけで41名います。 
 今後、超高齢化社会が進む中で、理学療法士や作業療法士、言語療法士などの役割はさらに大きくなっていくと思いますので、積極的にスタッフを増員していきながら、患者さんがなるべく早く自宅に帰れるような医療体制にしていきたいと思っています。
(左)「かがやき健康館」、(右)「館内プール」


※連載・医療人では、語り手の人柄を感じてもらうために、話し言葉を使った談話体にしております。


プロフィール
木島 幹博氏(きじま みきひろ)

役  職 (2013年9月1日現在)
 公益財団法人星総合病院病院長

出  身
 秋田県
 昭和51年 福島県立医科大学卒業
 (学生時代 所属クラブ:躰道部 主将、監督を務めた)

資  格
   日本循環器学会循環器専門医、
   日本内科学会認定内科医
   日本医師会認定産業医、
   日本医師会認定スポーツドクター、
   福島県立医科大学医学部臨床教授、
   日本心血管インターベンション治療学会専門医・同理事、
   日本心血管動態画像学会理事、
   日本冠疾患学会評議員、
   日本心臓病学会評議員、
   日本心臓血管内視鏡学会理事
   平成14年度 医師臨床研修指導医養成講習会 受講
 



公益財団法人 星総合病院
 〒963-8501
 福島県郡山市向河原町159番1号
 TEL:024-983-5511
 FAX:024-983-5588
 URL:公益財団法人 星総合病院ホームページ





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◆用語解説◆

(※)※経皮的冠動脈形成術:percutaneous coronary intervention:PCI

狭窄した冠動脈を拡げるための治療法
(その他、PTCA(percutaneous trans luminal coronary angioplasty)、冠動脈インターベンション、経皮経管冠動脈形成術、風船治療などの名称でよばれているが、全て心臓カテーテル治療を意味する

(※)※ハイブリッド手術室

血管X線撮影装置と手術台を備えた(組み合わせた)治療室

(※)※心筋シンチグラフィ検査

心臓の機能(虚血状態)を調べる検査で、放射性同位元素(ラジオアイソトープ(RI)) といわれる放射性医薬品を投与し、その放射線(ガンマ線) を専用のシンチカメラで撮影・画像化して状態をみる。検査には、安静心筋シンチグラフィや負荷心筋シンチグラフィがある

(※)※ステント治療(ステント留置術)

ステンレスなどの金属でつくられた金網で、拡張させた血管(冠動脈)の狭窄部分に挿入して留置することで血管を保持する治療法。従来のステント治療では、再狭窄が20%~40%の頻度で起こることが課題になっていた

(※)※薬剤溶出性ステント

従来のステントによる再狭窄を解決するために開発されたステントで、従来のステントに再狭窄を予防する効果がある薬剤が塗布されている。しかし、抗血小板剤の服用期間などが課題になっている

(※)※慢性完全閉塞(Chronic Total Occlusion: CTO)

完全に閉塞してしまったまま長期に放置された病変の治療。完全に閉塞した血管へのアプローチには長時間要することや合併症や再狭窄のリスクの高さなどから、治療の難易度が高いといわれている
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