情報誌「医療人」®

今月の医療人紹介

(2015年2月1日掲載)

公益財団法人寿泉堂綜合病院
リウマチ膠原病内科部長 遠藤平仁氏


最先端の診療を地域へ

 膠原病(全身性結合組織病)(※1)に関連する疾患のうち、関節リウマチ(rheumatoid arthritis:RA)に対する治療はこの15年余りで大きく変化した。その時代の流れの中で関節リウマチの治療に関わる基礎的な研究から臨床まで幅広く活躍してきた専門医の遠藤平仁先生が、昨年2014年4月に寿泉堂綜合病院リウマチ膠原病内科に着任した。遠藤先生は、「これまでの経験を生かした効果ある最先端診療と情報等を地域に提供したい」という想いから、福島県内各地で医療者向けの講演等も精力的に行っている。今回は関節リウマチの治療を中心に、その医学の進歩と最新の診療についての話を伺った。


関節リウマチに対する最先端診療
関節リウマチは治療薬の進歩が著しいと聞きます、疾患の特徴や治療の進歩について詳しく教えていただけますか

 リウマチ性疾患とはいわゆる骨関節(運動器)の腫脹、痛み等が起こる病気の総称で、そのうち一番代表的なのが関節リウマチです。関節リウマチは膠原病に関連する疾患に含まれるもので、日本人の患者数は70万人以上いるといわれています。当科でも、受診者のうち半数以上がこの疾患の患者さんです。
 関節リウマチは、身体の免疫異常が主体となる炎症性の全身性自己免疫疾患です。発症原因は未だ解明されていませんが、そこには遺伝的な背景も関与しているのではないかと考えられています。これまで原因遺伝子の候補がいくつか報告されていますが、原因はそれだけではなく様々な外的環境要因が複雑に絡み合って発症に至ると考えられます。また、患者さんの約8割が女性であることから女性ホルモンの関与の可能性についても報告されていますが、今のところ解明はされていません。疾患の好発年齢については、これまで30~50歳ぐらいといわれてきましたが、近年になり70~80歳で発症する方も増えています。これについては現代の平均寿命からも分かるように高齢の方が非常にお元気ですから、全体的に身体が若くなっているということも考えられるかもしれません。
 このように関節リウマチには未だ解明されていない部分もありますが、その一方では炎症病態や関与する分子が解明され、治療薬の開発が進んで来ました。その進歩により膠原病に関連する疾患の中で唯一、根治的治療を目指せるようになってきたのです。私が医師になった頃は不治の病といわれ、発症から10年ぐらい経つと寝たきりになる方が多くいました。それがコントロールできる時代になったということは、非常に大きな医学の進歩だと言えます。


関節リウマチの考え方についても、以前までとは変わってきたそうですね

 これまでの考え方には1987年の米国リウマチ学会(ACR)の分類基準が診断に用いられていました。「朝のこわばりが、少なくとも1時間以上続く」、また「3ヵ所以上の関節に炎症による腫脹がみられる」等、全7項目のうち4項目以上を満たしている(そのうちいくつかの項目は6週間以上持続している)という基準にもとづいて診断されていました。また、疾患の早期の考え方は発症から2年といわれ、その間は痛み止めだけで様子を診て、病態が完成したら治療を行うという流れでした。これに対して最新の診療では、2010年に発表された分類基準により1ヵ所以上の関節腫脹や痛み、こわばり等があれば関節リウマチも視野に入れた診療を行い、出来るだけ早く診断をして、早期の段階で生物学的製剤等の有効な治療薬による積極的治療を開始し、ほとんど症状がなく落ち着いて安定した状態(以下、寛解)を目指す、という考え方に変わってきました。さらに2年といわれてきた早期の基準は6ヵ月と考えられるようになり、これが骨破壊を起こすことなく安定した生活を送るための早期介入の目標期間となっています。ですから地域の医療機関の先生方に対しても、気になる症状があれば関節リウマチを視野に入れた検査をしていただくように説明し、早期で診療を行うことについてのご理解をいただいた上で連携を図っています。関節リウマチの検査には血液検査としてリウマトイド因子や抗CCP抗体、CRPなど炎症反応、関節の超音波検査、レントゲン検査等があります。本当に早期の段階では、痛みを訴える部分のレントゲン撮影を行ってもほとんど異常が認められないのですが、その何も異常がない段階で治療を開始することが大事なことだと思います。



治療により、どのような段階を目指すことができるのでしょうか


出典:公益財団法人寿泉堂綜合病院
リウマチ膠原病内科部長 遠藤平仁氏
 現在の主な治療薬には、メトトレキサートを中心とする疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARD)、生物学的製剤として7種類と分子標的薬(※2)が1種類あります。それぞれの有効性は大体同一と考えられていて、非常に有効であった症例も含め有効率は7~8割だと思っています。現在ではこのような治療薬の進歩によって非常に効果的な治療が行われるようになっています。当科でも、通院を始めてから数ヵ月後には関節リウマチに罹患しているのか全然わからないような状態まで回復することを目標に治療しています。ただ、関節リウマチは身体への負担やストレスが誘因となり再燃することがあり、経過の途中で状態が良くなったり悪くなったりを繰り返すという特徴を持っているため、患者さんの状態に応じて治療薬の増減や変更を行いながら最終的に寛解を目指すことが大事です。また、生物学的製剤というのは身体の免疫の働きを抑える薬ですので、使用している期間はどうしても免疫力の低下が起こり、感染症のリスクが生じます。その点では、私はこれまで膠原病感染症内科にも所属していましたので、予防指導等も含めた感染症合併予防にも留意し診療を行っています。


既に疾患が進行してしまった患者さんの治療というのは難しいのでしょうか

 関節リウマチは全身性疾患のため、多くの関節に炎症が生じて最終的に骨破壊を起こしますが、その経過は患者さんによって異なります。進行している患者さんの治療については、受診時に進行段階にあれば既に炎症が起きているとしても積極的な薬物療法を行うことで骨破壊の進行を阻止することができ、ある程度の日常生活の機能を戻すことが可能になっています。また、そのような患者さんの治療には、薬物療法を開始すると同時にリハビリテーションの介入が重要と考えます。当院には非常に熱心な理学療法士が揃っていますので、積極的なリハビリの介入によって患者さんの機能改善を目指しています。実際に初診の時は杖を使ってもやっと歩いていた方が退院のときには杖を使わず歩いて帰ることができるまで回復するなど、患者さん自身もすぐに治療効果を実感できるほど効果が出る方もいます。このため、たとえ短期間であってもリハビリを取り入れることが大事で、患者さんからはそれによって退院後の日常生活に工夫が生まれたという満足の声をいただくこともあります。その一方で、私が当院に着任して診療を行っていた中で驚いたことがあります。

出典:公益財団法人寿泉堂綜合病院
リウマチ膠原病内科部長 遠藤平仁氏
それは福島県の患者さんはとても我慢強い方も多く、疾患が大分進行してから来院される方が少なくないということです。特に、痛みを我慢して生活をしていたという方や、なんと20年間も疾患を放置していたという方がいて驚きました。患者さんには、今は治療が進歩していますので、ご自身の状態を自己判断したり悲観したりすることなく、出来るだけ早く受診して治療を開始していただきたいと思っています。また、合併症をお持ちの方や骨破壊をきたしている方もいますので、そのような患者さんについては他科との連携による治療を進めていきます。 




全身性強皮症の診療
先生は膠原病各疾患のうち特に強皮症についても専門にされていますが、私たちにも分かるような強皮症の特徴にはどのようなものがあるのでしょうか

 私は厚生労働省強皮症研究班(※3)に10年間参加し、たくさんの患者さんを診てきました。強皮症という名前の付く疾患には限局性強皮症(※4)全身性強皮症(※5)があるのですが、これらは全く異なる病気です。このうち膠原病に関連するのは全身性強皮症(※5)で、現在2万人以上の患者さんがいるといわれています。
 全身性強皮症(※5)は、厚生労働省により難治性疾患克服研究事業(臨床調査研究分野)の対象とされています。初期に一番多い症状はレイノー現象(症状)で、寒くなったり冷たいものに触れたりすると指の色が急に変化して白くなり、その後に紫色になりますが、暖めると元に戻ります。また、患者さんの9割が女性で、急に手のむくみが発生して指輪が入り難くなったり、指がこわばったり、そうした手の違和感から疾患に気付く方も多くいます。この疾患は大きく2つの病型(びまん皮膚硬化型と限局皮膚硬化型)に分けることができ、いずれも様々な内臓病変等の合併症を伴う場合がありますが、その病変や重要度、また経過等は患者さんによって異なります。このため診断では各科の先生方と連携しながら病変の診断や重症度の把握をしていきます。全身性強皮症(※5)の治療については、今のところ世界的に根治的治療が解明されていません。これには膠原病に関わる疾患の中で唯一ステロイド治療が効かないということがあります。このため厚生労働省等の研究班によって現在も様々な研究が試みられています。しかし、だからと言って決して治療法が無いということではありません。近年、強皮症に関してわかってきたことも多くありますので、患者さんに適した対処療法等を上手に取り入れた治療を行うことで、疾患に付随する合併症等を抑えることができるようになっています。例えば、この疾患に伴う肺疾患には肺高血圧症や間質性肺病変などがありますが、これらについてはある程度有効性が確立した治療法があります。ですから疾患を放置することなくきちんと治療を継続することが大事で、できるだけ罹患する前の生活に近い状態を目指し、その後はその生活を維持することを目標にしていただきたいと思っています。


この分野では疾患の鑑別や治療を開始するタイミングなど、専門医でなければ難しい部分もあるのではないかと思いますが、地域ではどのような連携を図られているのでしょうか

 膠原病に関連する疾患には、他にも全身性エリテマトーデス(※6)多発性筋炎及び皮膚筋炎(※7)等があり全身性強皮症(※5)と同様に指定難病に含まれていますが、患者さんによって病状の軽重は様々です。これらは希少疾患で有病率は低いのですが、郡山市内の既存患者数と予測患者数を照らし合わせてみると予測に満たないことが分かります。当院は基本的に近隣の開業医の先生方から紹介を受けた患者さんを中心に診療を行う総合病院ですので、もしかすると地域で抱える患者さんの存在や潜在患者さんの存在があるのではないかと考えています。
 膠原病に関連する疾患については解明されていない点も多く、現代医学では完全な根治的治療がないため病気と一生付き合っていかなければいけない方もいます。しかし、治療法は徐々に進歩していて、近年では関節リウマチの考え方と同様に早期発見・早期介入により患者さんの予後を改善する可能性があると考えられるようになっています。例えば、そこで極めて早期の段階にある場合、その診断は紛らわしく、専門の医師でなければ介入段階を判断することが難しいことがあります。そのようなことを含め、当科でお役に立てることには可能な限り対応したいと思っていますので、私の方からも最新の診療等を各地域の先生方にご紹介させていただきながら、連携体制を整えていきたいと思っています。また、そうした連携を図る中では患者さんの通院の利便性等も考えながら、病状が安定したら当院への通院回数を極力減らし、基本的にはかかりつけ医の先生のところにお戻りいただけるような体制で進めていきたいと思っています。
 近年、全国ではITを駆使した病病・病診連携のネットワークシステム作りが進んでいます。私は昨年開催された日本リウマチ学会主催のJCR関節超音波検査講習会アドバンスコースを受講して来たのですが、全国的に見ると参考になるネットワークシステムが沢山あり、既に多くのところで稼働していることが分かりました。しかし、この東北地方の場合は専門医師数が絶対的に少ないということもあり、まだ実施例はありません。そのため今後この分野の医療がさらに進歩していくと、地域内一つひとつの病院で患者さんを抱えることはお互いに難しくなっていくと思います。また、広いエリアを持つ当県では交通の利便性に関する問題が常に出てくると思います。ですからこの地域でもネットワークシステムの構築ができれば、普段からの情報共有に加えて診療上の疑問や不測の事態の問合せ等がスムーズに行えるようになり、それと同時に症例の集積なども行えることから一つの研究材料にもなり結果的に臨床の質の向上に繋がると考えています。患者さんが病院から地域に戻れる体制を整備することに加えて、将来はそうしたシステムの構築が可能になれば良いなと思っています。


先生は患者会等で講演されることがあるそうですが、どのようなお話をされているのでしょうか

 昨年は、首都圏で診療していた頃から何度か依頼をいただき講演等を行ってきた「日本リウマチ友の会」の療養講演会があり、関節リウマチについての講演や療養相談会の相談医として患者さんとお話をさせていただきました。そうした場面また普段の診療の中で患者さんにお伝えすることは、まず“正しく疾患を理解して欲しい”ということです。例えば、関節リウマチの治療について言うと、私も関与して書かせていただいた「RA治療ガイドライン2014」が発行され治療法として確立してきた状況にあるのですが、一般向けの情報としてはまだまだ発信されてはいません。そうした中で今は情報過多の時代ですからインターネット等を開けば沢山の情報で溢れていて、関節リウマチや膠原病に関する情報も数多く出ています。しかし、それら全てが必ずしも正しい情報であるとは限りません。ですから患者さんたちが決して不確実な情報に惑わされることのないように、分からないことは診療のときに直接聞いていただき、ご自身が納得された上で適切な治療を受けていただけるようにお話をしています。そして私たちは、可能な限りは何でもお答えするというスタンスを持って診療に向き合っていますし、今後もそうしたいと思っています。
 また、私がいつも患者さんにお話をすることは、「今病気を抱えていることによって日常の服薬や通院という負担があるかもしれないけれども、適切な治療を続けることで元の生活と同じ状況を目指すことができるので、私たちと一緒にそれを目指してほしい」ということです。例えば、生物学的製剤による治療を行う方の場合、製剤が非常に高額であるという問題が出てくるかもしれません。そのことについては、長い人生を考えて今の時点で最善の選択をするのであれば今の負担を少し頑張っていただき、それによって最適な治療を受けて早く寛解を目指す、そしてそのために時間との勝負で治療を行っていく、という考えで頑張っていただきたいと思っています。それが結果的に将来の手術負担を無くしたり、休職や離職を余儀なくされていた段階からの復帰を可能にしたり、罹患する前の生活に戻るための可能性を大いに含んでいるからです。このことは総合負担という考え方で捉えていただければと思います。当院では、医療費等を含む様々な問題についてソーシャルワーカーが相談を受けていますので、気軽に活用していただければと思います。さらに診療では、看護師さんたちのサポートを受けながら患者さんへの積極的な声掛けを心掛けています。私自身も可能な限りは質問や申し出等を受けながら、今後も患者さんが安心した環境で治療を継続して行けるように努めたいと思っています。


先生はどうして膠原病・リウマチを専門にされたのでしょうか、また、これからの若い医師や研修医のみなさんに伝えたいことはございますか

 私がこの分野を選択した頃は、膠原病を専門に診療する施設は非常に少なく、内科の中でリウマチ科を標榜することが認められていない時代でした。そのような中で未知の部分が非常に多いことに興味を持ちました。また、免疫学が面白いと感じていたこともあり、この分野を選択しました。今の時代は再生医学が盛んですが、その当時は疾患を抑える治療が主流だったことから、アメリカに留学をしていた期間は現在の関節リウマチ治療薬のもとになるような基礎的な研究に従事していました。そこでは、今の製剤のもとになるような分子候補がいくつかあったのですが、残念ながら私の研究はそれに当たっていませんでした。ですからそれから20年もかからずして、ここまで治療薬が進歩するとは当時の自分は想像もできなかったと思います。それらの治療薬は関節リウマチの診療を大きく進歩させました。このことは多くの医療分野の中でも大きく医学の発展に貢献したと言えるのではないでしょうか。私たちは、そのように治療法の開発のために繰り返し実験を行ってきた世代で、その研究によって次々と結果が出るから前に進めましたし、それによる情報が毎年変わるぐらい医学が進歩している中にいることがexcitingでもありました。ですから私がここまでやって来られたのは、医学の進歩と共に走って来られた時代だったということがありますが、一番は自分自身が興味のある分野で、そして何よりも面白かったからだと思っています。
 これからの若い先生や研修医の先生にお話できることは、今あるものをそのまま受け入れるだけでは現状のままで終わってしまいますから、私たちとはまた違った別の視点を持って欲しいということです。そのためにはあまり小さくまとまらず、自由に発想することが大事です。そしてその自分の新しい発想はプレゼンテーション等を通して発信し、議論し合うことが必要だと思います。そうした中で新しい疾患が見つかる可能性等もありますし、有名な研究者等を見ても分かるように新しい発想が生まれるのは若い時期が大事なのです。ですから研修医が終了した頃から是非、何か大きな希望を持って進んで行っていただきたいと思っています。


今後の地域での診療について、また教育の面での抱負をお願いします

 私は研究に携わっていた期間を除くと、北里大学病院、東邦大学大森病院を中心としてリウマチ性疾患、膠原病、それから一部感染症、アレルギー診療に長年従事してきました。当院に着任してからもうすぐ1年(2015年4月)になりますが、今後もこれまでの経験を生かした効果ある最先端診療と情報等を地域に提供することで、私の出身地であるこの福島県の医療に貢献していきたいと思っています。また、大学では教員としての経験もありますので、今後この分野に興味を持つ研修医や若い医師が増えるよう、教育面でも尽力していきたいと思っています。
 当院の研修医教育では、まず患者さんの割合が多い関節リウマチの鑑別・診断をはじめ、この分野の基本製剤としてステロイドや非ステロイド性抗炎症薬、抗生剤の使用等についての最低限の知識は蓄えていただけるように指導を進めています。こうした知識は中々教わるチャンスが無いと思いますが、将来どの分野に進んでも必ず役に立つことですので、しっかりと指導をしていきます。そして、今後この分野に興味を持つ医師たちが、当科で最先端の診療を行える環境、そして体制を整備していきたいと思っています。



※頼れるふくしまの医療人では、語り手の人柄を感じてもらうために、話し言葉を使った談話体にしております。


プロフィール
遠藤 平仁氏(えんどう ひらひと)

役  職 (2015年2月1日現在)
 リウマチ膠原病内科部長

出  身
 福島県郡山市

卒業大学
 北里大学医学部(昭和58年卒)

専門分野
 リウマチ性疾患、膠原病各疾患、特に強皮症、アレルギー疾患

資 格 等
 医学博士
 日本内科学会認定医
 日本リウマチ学会専門医
 日本リウマチ学会指導医
 日本アレルギー学会専門医
 日本医師会認定産業医  

所属学会
 日本内科学会
 日本リウマチ学会
 日本アレルギー学会
 日本臨床免疫学会
 日本臨床リウマチ学会
 日本炎症再生学会
 日本感染症学会
 日本医真菌学会
 

経  歴
 昭和58年 03月 北里大学医学部 卒業
 昭和58年 06月 北里大学医学部附属病院 内科研修医
 昭和59年 06月 社会保険埼玉中央病院 内科
 平成元年 03月 北里大学大学院医学研究科 修了
 平成元年 04月 北里大学医学部 膠原病感染内科
 平成02年 04月 北里大学看護部講師
 平成07年 09月 AmericanRedCrossHolland研究所
 平成09年 04月 北里大学医学部 膠原病感染内科
 平成19年 04月 北里大学医学部 膠原病感染内科 准教授
 平成21年 04月 東邦大学医療センター リウマチ膠原病センター 准教授
 平成26年 04月 寿泉堂綜合病院 リウマチ膠原病内科着任


 公益財団法人寿泉堂綜合病院
 〒963-8585
 福島県郡山市駅前1丁目1番17号
 TEL:024-932-6363(代)
 FAX:024-939-3303
 URL:公益財団法人寿泉堂綜合病院ホームページ








◆用語解説◆

※1 膠原病(全身性結合組織病)

膠原病とは診断名ではなく1942年にアメリカの病理学者Paul Klempererが提唱した疾患の考え方。膠原病に関連する疾患には厚生労働省が難治性疾患克服研究事業(臨床調査研究分野)の対象としている疾患を含むいくつもの疾患がある。

※2 分子標的薬

がんをはじめとする疾患に関与する分子(遺伝子やたんぱく質等の遺伝子産物)を標的(ターゲット)として狙い撃ちすることでその機能を抑える薬剤の総称。
関節リウマチではJAK阻害という新規作用の抗リウマチ薬 トファシチニブ(商品名 ゼルヤンツ)がある。

※3 厚生労働省強皮症研究班

SSc 強皮症研究会議のHPをリンク
http://derma.w3.kanazawa-u.ac.jp/SSc/SSc.html

※4 限局性強皮症

全身性強皮症とは異なり膠原病に関連する疾患ではない。内臓を侵すことはなく主に皮膚だけに硬化(線維化:以下硬化)等の症状が起こる疾患。

※5 全身性強皮症

膠原病に関連する疾患の一つで皮膚硬化を代表とする症状が起こり、場合によっては内臓病変(硬化)を起こすが、患者さんによってその病状や進行等は異なる。現状では完全な治療法は確立されていないが、近年疾患のコントロールが可能になってきている。

※6 全身性エリテマトーデス

膠原病に関連する疾患の一つで、厚生労働省が難治性疾患克服研究事業(臨床調査研究分野)の対象としている。現状では疾患の原因は解明されていないが、皮膚発疹(顔面紅斑)や発熱、倦怠感等の全身症状、関節炎、その他内臓等に様々な症状が見られ、ステロイドを中心とした治療が行われる。

※7 多発性筋炎及び皮膚筋炎

膠原病に関連する疾患の一つで、厚生労働省が難治性疾患克服研究事業(臨床調査研究分野)の対象としている。主に筋肉の炎症による症状が見られ、皮膚筋炎では皮膚症状(紅班)が見られる。また関節リウマチや強皮症にあるような症状を伴うこともあるが経過は異なる。経過については、殆どの症例でステロイド療法による効果が示されている。
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